癒し恋~優しく包まれて~
そういえば、さっきから出汁のよい香りが漂ってきていた。そうか、雑炊だったんだ。

お腹すいたな。それよりも、ここはもしかして?


「今テーブルに運ぶから三上さんも隣に来てね」

「はい。あの、ここは入江さんの家ですか?」

「ああ、うん。俺が住んでいるマンション。三上さんが潰れちゃって、家が分からないから連れてきちゃったけど、もし家族とかに連絡するならしてからおいで」

「それは大丈夫です」


実家は隣の県だけど、大学の途中から一人暮らしをしていた。だから、今は無断外泊をしても心配する人はいない。

ベッドから出て、言われた隣の部屋に行く。


「はい、どうぞー」

「いただきます。……あふっ。うわー、なにこれ! とても美味しいです!」

「それは良かった。ねえ、三上さんって、そんなキャラだっけ? 会社での三上さんは落ち着いていて、クールな感じだけど、違うね」


塩加減が絶妙だし、卵もふわふわと柔らかくて美味しい……と味わっていると私の目の前で入江さんが頬杖をついた体制でこちらを見ていた。

私のキャラ?
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