癒し恋~優しく包まれて~
俊也さんは「ふうん」と軽く流してから、結婚式の様子を教えてくれた。

ごく普通の結婚式で特に目立った演出はなかったけど、最後の新婦が読む両親への手紙と花束贈呈は見ていて、ほのぼのしたという。


「感謝の気持ちを伝えるいい機会の場だよね。つい当たり前になってしまって、なかなか伝えることが出来ないものだしね」

「そうですね……」

「柊花の実家は隣の県だったよね? たまに帰ってる?」

「一年に一度くらいは帰ってます」


「少ないね」と返されたけど、確かに少ない。それには我が家の事情というものがある。

連絡も頻繁に取っていなく、連絡がないということは何事もなく元気でやっていると思うようにしている。


「柊花はお父さんとお母さん、どっちに似てるの?」

「顔は亡くなった母に似ていると思いますが、性格はどうだろう」

「お母さん、亡くなっているの? じゃあ、実家には……弟さんがいるんだっけ?」

「はい。弟がいます。それと、三年前に父は再婚したので義理になるけど、母もいます」


父が再婚して、一年経った頃に実家を出て、一人暮らしを始めた。
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