癒し恋~優しく包まれて~
膝の上に置いた手を内側に力を入れて丸める。


「そんなふうに自分を責めないで。柊花ががんばっていたことや思いを弟さんはちゃんと分かってくれていると思うよ。弟さんとは連絡を取っているんだろ?」

「はい、たまにここにも来ます」

「うん。なら、大丈夫。ちゃんと分かってくれているよ。これからもきょうだい仲良くしたらいいよ。ご両親のことはこれから少しでも歩み寄れたらいいね。焦らなくていいから」


そんなふうに言い聞かせながら、私の背中を優しく何度も撫でてくれたから、胸中にあったわだかまりが少しとけた気がした。

誰にも話したことのないことを話せたことで心が軽くなった。

振り返って見れば、母が亡くなってからしっかりしなくてはいけない、父を手伝わなければいけないと私なりに頑張って家事をやっていた。

慣れない料理も本やネットで調べて、父や弟に美味しいと言ってもらえるように作った。二人は美味しいと言ってくれたけど、母の味にはまだまだ敵わないし、少しでも近付けたいと試行錯誤を重ねていた。

そんなときに突然現れた父の再婚相手には戸惑うしかなかった。
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