癒し恋~優しく包まれて~
「思春期だから仕方がない」と父は言っていたけど、そんな一言で片付けられてしまうような思いではなかった。


「そうか、柊花は家でも頑張っていたんだね」

「ううん、私は頑張れなかったから……弟を置いて出てしまった薄情な姉なんです」


家を出たのは二年前。そのとき高校生の弟も同じように出たがったが、さすがに父はそれを許さなかった。

大学も通えるところなら家から通うようにと言われていた。だから、弟は関西の大学を受験する予定になっている。

私はもともと就職したら一人暮らしをすると話していたから少し早まったけど、許してもらえた。


「そんなことないよ。柊花はお母さんが亡くなってから、家事もやっていたんだろう?」

「はい、なんで……」

「何でそんなことが分かるのかって? 今までの柊花を見ていると想像出来るよ。だって、がんばり屋さんだしね。お父さんは柊花の負担を軽くしようと再婚したのかもしれないよ」

「そうかもしれないけど、私は心が狭くてそんなふうには考えられなくて……」


俊也さんみたいに良い方向に考えることが出来ない私は本当に心が狭い。
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