癒し恋~優しく包まれて~
その報酬がお年玉だった。要求されなくてもあげるつもりでいたから、ちょっと予定より多目に入れてある。


「うん、ありがと」


伏せたまま返事を言うから、声はくぐもっていた。


「さっき何か用があって来たんだよね? なんだったの?」

「もういい……」

「よくないよ。ちゃんと言って。なんだったの?」

「分からないところが……」


弟は起き上がって、机の上に広げてあった数学の問題集を見せてきた。


「ここ分からないんだけど、教えてくれない?」

「これ? ちょっと待ってね」


昔から弟の勉強は私が見てきたけど、それは中学まで。私も一応高校で数学を学んではいるけど、文系だったし、卒業するときに学校に覚えたことを置いてきた。

つまり、聞かれた問題は情けないことに分からない。

でも、彼なら分かるかもしれない。

俊也さんにそれを持っていく。


「ああ、分かるよ。教えてくるね」


弟の部屋に向かう頼もしい俊也さんの後ろ姿を見送って、私は改めて母の手紙を見た。
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