癒し恋~優しく包まれて~
クールな私が気に入っているならクールじゃなくしたらいいのかもしれない。

でも、この人に向けてわざわざ笑う気にはなれない。


「萩原から書類を受け取るように聞いていますが」


早く持っている書類を置いて帰ってくれないかな。


「まあまあ、せっかく顔を見に来たんだから、ちょっと話そうよ」


長谷川さんは萌絵さんの椅子に座って、私の方へ体を向けた。

嫌だな……。萌絵さん、戻ってきてくれないかな。


「ねえ、この前も話したんだけど、いつなら一緒にご飯食べに行ける?」

「いろいろ忙しくて」

「どんなに忙しくても空いている日はあるでしょ? 三上ちゃんの都合に合わせるから空いている日を教えてよ」


長谷川さんはいつも同じことを聞いてくる。何度断っても嫌だということを察してくれない。

萌絵さんが間に入って、断ってくれることもあるんだけど……今日はどう断ろう。


「ねえ、いいじゃない? 1度だけでいいんだから、深く考えないで、行こうよ」

「でも、本当に忙しくて」

「来月でもいいんだよ? クリスマスシーズンになるしね!」


本当にしつこいな。
< 22 / 213 >

この作品をシェア

pagetop