癒し恋~優しく包まれて~
それで、次に目が覚めたら、もう一度ちゃんと謝ろう。


「三上さん、三上さん。……柊花、起きて。起きないとキスするよ」

「ん、んーーー。キ……ス? キスってなあに?」

「あーもう、かわいすぎ。知らないのなら、教えてあげるよ?」

「えっ……。あ! 待った!」


目を開けたら、入江さんの顔が目の前にあって、どんどん近付いていた。慌てて、手で口を押さえる。


「おっと、残念」

「残念って、今何をしようとしました?」

「朝の挨拶のキスかな」


入江さんは楽しそうに笑うけど、私は楽しくない。挨拶のキスって、何ですか……。


「でも、まあ目が覚めたのなら、シャワー浴びてきなよ。昨日そのまま寝ちゃったんだしね」

「そのまま……ああ、そうですよね。じゃあ、行ってきま……ええっ!」

「ん? どうした?」

「私、こんな! こんな格好だったんですか?」


ベッドから降りようとして足を出したけど、あられもない姿にギョッとして、中に戻す。

上はブラウスを着ているけど、下はスカートもストッキングも履いていなく、下着だけ。こんな姿で寝ていたなんて思いもしなかったし、今まで気付かなかった。
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