癒し恋~優しく包まれて~
「柊花、そんな目で見られたら止まらなくなりそうだよ」

「止まら……な、く?」


離れていく入江さんの顔をぼんやりと見ていただけなのに、そんな目とはどんな目?

止まらなくって、何が止まらないの?

ぼんやりする頭で考えても、答えは何も浮かばない。

私はただもっと気持ちの良いキスをして欲しいなと入江さんの口を見た。形の良い唇からまた意味不明な言葉が出てくる。


「煽るなよ」


煽るとは、どういう意味だっけ?

「後ろの車が煽ってくる」と親の車に乗っていた時に聞いたことがある。「早く行け」とか「さっさと動け」とかそんな意味だったような……。

「早くして」とは思ってないけど、「もっとして」とは思う。でも、同じ意味かな?


「えっ、あの……」


もっとなんて、恥ずかしくて言えない。


「柊花。今、なにして欲しい? して欲しいことをしてあげるよ」


一瞬ギクッとした。私の心はもしかして、見透かされている?

あなたには透視能力でもあるのでしょうか……。


「言ってごらん」


そんな優しい声で言われたら、つい言ってしまう。入江さんは誘導するのがうまい。
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