癒し恋~優しく包まれて~
仕事にたいして意気込んでいたのに、かわいいと抱き締められて固まってしまった。

今の話の流れでどこがかわいかったのか分からなく、放心してしまう。すっぽりと入江さんの中におさまっているけど、なんとか顔を上げると、額が顎に触れた。

こんなに近かったとは……確かに密着してるから近いのは分かっていたけど、これはどうしよう。

恥ずかしいから、中に隠れたい。

頭を下に戻そうとするけど、さらに強く抱き締められてしまい、中に戻せるスペースがなくす。


「柊花……」


また顔を上げると入江さんの顔が近付いてくる。目を閉じたほうがいいかな……と、考えている間にキスをされる。

柔らかいけど、ほんの少し冷たかった唇が私の熱を奪って熱くなっていく。軽く触れては離れてを何度か繰り返して、深いキスに変えていく。

私よりも動きが穏やかな心臓の音が伝わってくる。きっと私の激しい音も伝わっているであろう。

ドキドキするけど、やっぱり彼とのキスは気持ちがいいし、安心できる。
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