癒し恋~優しく包まれて~
ふわふわとした体はしっかりと支えられていた。ゆっくりと離れていく濡れた唇をぼんやりと見つめる。


「そんな顔で見られたら、自制がきかなくなる。今すぐ柊花のすべてが欲しくなるけど、我慢しておくね」


困ったように笑って、もう一度キスをした。私ももっとキスをしていたいし、ずっとこのまま抱き締められてもいたい。

だけど、私も我慢だ。

ちゃんと自分の気持ちが分かっていないくせに要求は出来ないし、この先には進めない。

今夜は不安を取り除けたから気持ちよく眠れそう。


「じゃあ、帰るね」

「今日はありがとうございました」

「金曜日、また進士のとこで待ち合わせようか?」

「はい、いいですけど」


週末に約束出来たことが嬉しくなって、心が弾む。


「あ、でもなー、あそこはエリカがいるかもしれないし。んー、またあとで連絡するね」


そういえば、エリカさんとはどんな関係なんだろう? 1つ気になることが解決したのに、今度は別のことが気になりだした。
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