癒し恋~優しく包まれて~
ポタージュスープから始まったコース料理はどれも家庭的な優しい味がするものばかりで、肩肘張らずにまったり味わうことが出来た。

「美味しいです」と言えば「うん、美味しいね」と返事をしてくれるのも嬉しくて、お腹だけではなく心も満たされていく。

でも、まったりしている場合ではない。隅っこに追いやったモヤモヤしている気持ちを表に出さなくてはいけない。

そうしないとまた悩まされる日々が続いてしまう。

最後のデザートとコーヒーが置かれてから、姿勢を正した。

食べようとしない私に目の前の彼はきょとんとして首を傾げ、コーヒーをひとくち飲む。目はずっと私を見ている。

私が口を開くのを待っているようだ。


「今週、ずっと気になっていたことがあるんですけど、聞いてもいいですか?」

「うん、どうぞ」


優しく微笑んだ入江さんは、カップをソーサーに戻して、テーブルに両手を置いて指を絡ませた。

いつも私を見る彼の目は優しい。


「神原さんのことなんですけど」

「うん?」

「迫っているとか言ってましたけど、入江さんは神原さんとどうするつもりですか?」
< 98 / 213 >

この作品をシェア

pagetop