癒し恋~優しく包まれて~
私から一瞬視線を外した入江さんは、自分の指を見てから、またこちらを見た。

どんな答えが来るのかと身構える。


「ああ、この前の話ね。もう一度付き合わないかと言われたけど、ちゃんと断ったよ」

「でも、神原さんは内緒って……」

「おもしろがって言っていたんだよ。この前相談に乗ったときの帰り際に突然言われたけど、友だち以上の感情は全くないし、今は他に好きな人がいるからとハッキリ言った。それでアイツもその時は納得していたのに、あんなことを言ったのは柊花を見たからだと思うけどね」


帰り際の話ということは、私が見たときはまだそういう話をしていなかった?

だから、友だちとして楽しそうに話していたのかな。

でも……


「どうして、私を見たから?」

「俺が好きなのは柊花だと察したんだと思うよ。昔から変なところで勘のいいヤツなんだよね」

「そうなんですか」


神原さんと付き合うつもりが全くないと聞いて安心した。

ならば、この美味しそうなガトーショコラを食べようかな。


「ところでさ」

「はい?」

「どうして俺と神原のことが気になったの?」
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