【完】もっとちょうだい。
「大丈夫?ではないね」


慶太くんは昨日、偶然会って、話聞いてくれた。

元カノがいきなり彼氏の愚痴いいながら泣いてるのに、嫌な顔もしないし、戸惑いもとくにしないし……ただ受け止めてくれるみたいにね。


「慶太くんも学校で勉強?」

「うん。芙祐ちゃん昨日、『明日藍ちゃんと学校で勉強する』って言ってたし。藍ちゃんいるから大丈夫だとは思ってたけど。何か心配だったから」


……っていうと、えっと。


「あたしのために来てくれたってこと……?」


「ははっ、はっきり言うね」


そうそうって、くすくす笑ってる。


……慶太くんは、やっぱり次元がちがう。感動……。やっぱり優しい。


ヤヨとは月とスッポンだから。


「それで、弥生くんとはまだ連絡とってないんだね」


今また、缶ジュース一本分の愚痴、聞いてくれるんだって……。


「電話して何でもかんでも言いたいけど、言ったらヤヨに面倒に……」


思われる……って。もういわれたじゃん、めんどくさって。

はぁ……今ヤヨの何思い出しても、悲しい……。


もう涙腺壊れてるのかも。簡単に涙出る。一応めちゃくちゃ堪えてるのに。


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