【完】もっとちょうだい。
*A PEACEFUL SPRING

春休み


卒業式、さぼったこと、
最後にこんなに怒られるとは。
ヤヨ、初めてのケーケン。
ごめんね、ヤヨ。


そんなこんなで、
晴れて、自由の春休み!


今日はヤヨと
おうちデート。

あいにくの雨だからね。

ヤヨの部屋。久しぶり。


部屋についたから、とりあえず
キスいっぱいした。
それからヤヨの胸に飛び込んで、抱きしめる。

……幸せ。

って浸ってたら


「いつも思ってたんだけど、芙祐さ」

ヤヨ、あたしの腕をべりっと引きはがして、
反対を向いちゃった。

「……べたべたするのはいいけど、こっちの身にもなってほしい」

ちょっと文句っぽい言い方。


「なにが?」

「言うと思った!」


うわ、
なんかむかつく言い方だね。

ヤヨは少しあたしの方を振り返って、
「はぁー」って、深すぎる溜息。


「俺、男だって……わかってる?」

「うん?そうだね」

「はっきり言えってか」

「うん、何が言いたいの?」

首を傾げたあたしに、
ヤヨは呆れたような、
でもひんやりとしたような
いやーな目を向ける。

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