恋人は魔王様
ゼ・ン・ゼ・ンっ!!



どういうプラス思考ですか?!この人っ

激しく首を横に振るも、照れているのだと勘違いされて……



ひょいと、お姫様抱っこで私をリビングへと連れて行こうとするのだ。

程よい香水の香りが、鼻腔をくすぐる・・・じゃなくて!!

「駄目駄目。日本人は玄関で靴を脱ぐのっ」

「そっか。ユリアは人に脱がせて欲しい派なんだね。
 覚えておくよ。

 でも、自分から脱ぐユリアもたまには見せてね、ソソるから」


・・・・・・なんですって?!



私をドン引きさせる不謹慎極まりない台詞を、心地よい低いトーンの声でさらっと耳元で囁いて私を動揺させておいて、その間に丁寧に靴を脱がせて、いつのまにかリビングのソファへと連れて行ってくれた。




ああ、詐欺は詐欺でも、結婚詐欺師?
< 29 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop