黒い怪物くん



「それでは、そのままのお渡しです。お会計ちょうどいただきます!ありがとうございました!」


え…?


鷹哉はお金を払って、指輪をお店の人から受け取ると黙って私の手を引いてそこを離れた。


「あ…鷹哉…後でお家帰ったらお金返すね!実は…今お金足りなくて…」

「あ?いらねぇよ…左手出せ」

「いらなくないでしょ!何で左手出さないといけないの!?シッぺするの!?」

「しねぇよ!シッペなんか俺がいつした!?早くしろよ!」


左手を引っ張られると、薬指に先程買った指輪がはめられた。



「………ハッ!」

「………クソ……恥ずかし過ぎるな……」

「あの……本当にもらっていいの?」

「……当たり前だろ!これ以上聞くな!」

「ありがとう!すっごく嬉しい!」



指輪のプレゼントなんて…鷹哉もロマンチックな事出来るじゃん!



嬉しいなぁ…ずっと着けていよう!



嬉しくて指輪を眺めていると手に水滴がポタンッと落ちてきた。






ポタポタポタ…ザーーッ!



「わぁ!雨だ!」

「げ!小鳥、こっち来い」



急に降ってきた雨は一気に滝のように降ってきて、雨宿り出来そうなところへ行くまでに二人ともびっちょりになってしまっていた。



「た、鷹哉!そこの木のところは!?」

「雷光ってんだろ!あっちの建物行くぞ!」



周りにたくさんいた人達は一気にいなくなって、私達も古いビルの屋根の下に入り込んだ。
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