黒い怪物くん
バスルームを出て、浴衣は着れないのでバスタオルを巻いて鷹哉の服と自分の服をエアコンの前に干した。
干し終わると、お兄ちゃんが用意してくれた万能袋が目に入った。
そうだ、万能袋に着替えの洋服入ってる!
私は袋を取ってベッドに座って袋を開けた。
中あんまり濡れてない…鷹哉、濡れないようにしてくれたのかな?私の荷物なのにずっと持っててくれたんだよね。
鷹哉のさりげない優しさにキュンとしながら中の洋服を取り出すと、中から何か箱が落ちた。
ん?洋服と絆創膏以外入ってないって言ってたけど…なんだろう?
落ちた箱を手に取って見てみる。
苺の絵が書いてある…苺味?お菓子?
「服干してくれたん……ダァァ!何袋勝手に開けてんだよ!?」
鷹哉がベッドに突進して来て、私の手に持っている箱を奪い取った。
「勝手にってこの袋私のだよー?それ何なの?苺味って書いてあったよ?」
「絆創膏だよ!2個入ってた!」
「苺味なの?」
「そうだよ!」
鷹哉なんでこんなに必死なんだろ…?
「苺味の絆創膏見せてー?」
私は奪われた箱を鷹哉から取ろうとして、鷹哉に掴まって手を伸ばした。
「やめろッ!マジで!」
「今日の鷹哉隠し事ばっかでつまんない!見せてよー!」
「見なくていいだろ!大したもんじゃねぇよ!」
鷹哉は私に取らせまいと後ろに仰け反ると、ドサッと後ろに倒れた。
私が鷹哉の事を襲っているような体勢になってしまった。
「………おい…タオル…」
「タオル?……ハッ!やあぁッ!」
私が巻いていたバスタオルが取れていて鷹哉に全裸姿を見られてしまった。
急いでタオルで身体を隠して鷹哉から離れる。
うぅー…恥ずかしいよぉ……
「………小鳥…無防備過ぎんだよ…」
「違うもん!事故なんです!」
「違わねぇよ!いつもいつもいつも!俺の理性飛ばそうとしてきやがって!」
鷹哉は珍しく声を張り上げてそう言って私の肩を掴んだ。
「あ…ぅ…」
「……ごめん」
鷹哉は溜息をついて私の肩から手を離すと、ソファの方へ行ってしまった。