黒い怪物くん



浴衣と下着を脱いで、フェイスタオルを巻いてバスルームに入ると、浴槽のお湯がもう一杯になりそうだった。


さっき鷹哉がバスルームに入った時に入れてくれたようだ。



「…小鳥、浴槽入ったら教えて」

「う、うん!」



シャワーで身体の雨水を流して、浴槽に浸かる。
なんとなく浴槽の隅で体育座りをする。



「…入ったー」

「あぁ…壁の方向いておけよ?こっち向くなよ?」

「はーい…」


一緒に入っても良いって変な意味で言ったんじゃないみたいで、なんだかホッとした。


鷹哉が入って来て、後ろでシャワーの音がする。



ドクンッ…ドクンッ…



あー!!心臓うるさい!



キュッ……チャプンッ



うわ…一緒にお風呂入ってる…


二人で背中合わせでお湯に浸かる。



「……近くにラブホあって良かったな」

「うん…た、鷹哉はラブホ来たことあるの?」

「知りたいか?」

「あ、中学の時から私の事好きだもんね!ふふふッ」

「……だからって初めてかどうかなんてわかんねぇだろ」

「え…じゃあ…あるの?鷹哉、彼女いた事なかったよね?」

「うっせ…暖まったら先出ろよ」

「えー!話終わらせたー!ねぇ、どうなの?」


私は振り返って鷹哉の後ろから首に抱き付いて問いただした。



「バッ!くっ付くな!もう暖まっただろ!出ろ!」

「むぅ…」



怒られちゃった…結局教えてくれなかったし。
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