横顔
虚偽
人集りに逆らうように、歩き続けた。

午後22時、こんな時間でもこの街は一層騒ぎ立てる。

居酒屋、カラオケ、いかがわしい店…どこにも目を向けることもなく、ひたすら歩いた。

ネオンが眩しいわけでもなく、人の多さが鬱陶しいわけでもなく、キャッチに話しかけられることも、別に嫌なわけではなかった。

オレはただ、この街に埋もれる群衆に、なれる気がしなかった。
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