豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!

満足満足♪


スイーツバイキングを食べ終わった私たちは、満腹で帰路につく。

「結構たくさん食べてたね、水城ちゃん」
「甘いものは別腹ですから」
「今日は全部別腹行きだね。別腹が破裂しちゃうんじゃない?」
「別腹は消化吸収が早いんで、いっぱい入っちゃうんですよ」


駅の改札の前。木嶋さんと私は帰る方向が違うから、ここでお別れだ。
私は立ち止まって最後のご挨拶モードに入る。
けれど、木嶋さんは何故か私の家のある方の改札をくぐろうとして――

「家まで送るよ」

そう言って、改札のタッチパネルにカードケースを滑らせた。

「あの、大丈夫ですよ、一人で帰れますから」

「大丈夫だとは思うけど、一応心配だから送らせてよ。会社の先輩の務めとして、ね?」

そう言ってにっこりと笑う。

「いえ、何も心配することないと思いますよ。私みたいな小デブを襲う輩もいないと思いますし」
「何言ってるの!」

木嶋さんが一転、ちょっと怖い顔をした。

「水城ちゃんは女の子なんだからね。それに、可愛いんだから。夜、一人で歩くようなことしちゃだめだよ」

か、可愛い!? 可愛いって言いました今!?
そんなこと言ってもらえるの、何年ぶりだろう。いや、もしかしたら初めてかもしれない。

久しぶりに聞かせてもらった褒め言葉。参ったなー、舞い上がっちゃうなー。
いやいや冷静になれ。お世辞だお世辞。相手は営業さんだ。人を良い気分にさせるプロフェッショナルだ。

とはいえ、もう改札をくぐって歩き出しちゃった手前、今さら断るのもなんだしなぁ。

「ありがとうございます。それじゃあ、お言葉に甘えて」

私がそう答えると、木嶋さんは満足そうににっこりとした。
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