豹変カレシのあまあまな暴走が止まりませんっ!
「痛いじゃん玲! 何するの!?」
「あの男と何をした! 返答次第では、許さんからな!」
「何って――木嶋さんとは何もしてないよ。一緒にご飯食べて、家に送ってもらっただけ!」
「だったらどうして嘘をついた! 出かける理由も、相手の性別も、やましいことがあるから俺に嘘を付いたんだろう」

違う。すっごい、誤解。

「だって、甘い物食べに行くって知ったら、また玲怒るでしょ」

玲のこめかみがぴくりと不機嫌に動いた。

「……お前、俺に嘘をついてまで甘い物を食べに行こうとしたのか!」

――ほら、やっぱり怒ったじゃん。

「そんなくだらない理由で、あの男を選んだのか!?」

叫んだ玲が私の肩を掴んで、ベッドへと押し付けた。


え、ちょっと――


私と玲、二人分の身体が勢いよく倒れ込んで、どしん、とベッドが揺れた。
衝撃でギュッと目を瞑る私。

恐る恐る目を開けてみると、すぐ近くに玲の顔があった。
初めての距離感。ごくりと喉が鳴った。
逆光で暗いけれど、ああやっぱり綺麗な顔してるんだなって、良く分かったし、それから不愉快そうに怒ってるってことも良く分かった。

自分の腰が、玲の足に挟まれているのを感触で知る。
跨られてる。馬乗りってやつだ。
私、犬じゃなくて、今度は馬になっちゃったのか。
その上、手首をベッドに押し付けられてて、身動きが出来なくて。

待って。何この体勢。


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