好きな人は幼馴染み
ピンポーーン


インターホン越しになっちゃんを呼ぶと
早々に出てきたなっちゃん。


「おはよ!なっちゃん!!
学校行くよ〜」


朝からキラキラに眩しい
なっちゃんが出てきた。


「アコ、おはよ〜!
英輔もおはよ!!誕生日おめでとう!!
今日は盛大にお祝いするからねっ!」



「…いつも通りでいいのに…」



なっちゃんはエイちゃんの
呟きを聞き流すと


「アコ…今日はお願いね!
あと、誕生日会成功させようね!」


と、小声で囁いたので


「うん、任せといて!」


と、小声で返すと


「…亜子…何か隠してるの?」


と、私の右肩に手を置いて覗き込むように私の顔を見るエイちゃん。
するとすかさずなっちゃんが私の左肩に手を置いてニッコリ笑うと


「女同士の話ッ!秘密だよッ!
アコ!!」


「…菜摘がそう言う時ほど
ろくなことない」


「なにそれ!英輔のバカ!!」


「…知らないうちに陸上部にさせられた時も菜摘…そんな事言ってた」


ああ、いつものやつが始まった。
2人とも私を挟んで痴話喧嘩


なっちゃんとエイちゃんは陸上部なの。
2人とも超足が速いんだよ!


元はと言えば、なっちゃんも陸上部には入る予定じゃなかったんだけど
諸事情で断れなくて…


それでエイちゃんも
巻き込まれたんだけど…


しょっちゅうその事で
2人は言い合いになる。


ちょっと2人とも楽しそうにも見えるし
恋人同士がジャレあってるようにしか
見えないけど。


「まぁまぁまぁ
エイちゃんもなっちゃんも」


2人を宥めるように言うと
なっちゃんは私の腕に腕を絡ませて


「アコ!!英輔にそそのかされても
絶対に秘密だからねっ!!」



こんな調子で3人で学校へ行くのも今日が最後か…


でもこんな日が近い事はわかってた。





2人とも…私がいない時は
言い合いは控えめにね。



< 10 / 38 >

この作品をシェア

pagetop