好きな人は幼馴染み
2
翌朝、いつもの場所でエイちゃんが私を待っていた。


と、言っても私の家の玄関の前だけど


ここでエイちゃんと合流して
なっちゃん家になっちゃんを迎えに行くのが私たちの日常なんだけど…


それも今日で最後だよね。


なっちゃんもエイちゃんも変わらず仲間に入れてくれるだろうけど


恋人同士の時間を邪魔するほど
私は図々しくない。


私にとって
2人はかけがえのない大切な存在だからこそ2人から離れなきゃ…


明日からは邪魔しないから
離れるから
今日のこの時間は許してね。


よしっ!私、頑張れ!!
最後の登校だよ!!


パンパンッ


鏡の前で自分の顔に気合いを入れて
笑顔を作ると


うん、大丈夫…


私笑えてる!


そのままの顔をキープしながら
玄関を出ると


「おはよっ!エイちゃん(笑)
誕生日おめでとう〜!!」


私の顔を見て一瞬目を曇らせた
エイちゃんだけど、すぐにいつもの
落ち着いた表情に戻ると


「…うん」


言葉は素っ気ないけど
エイちゃんの表情はいつも優しい。


こんなふうに見られたら
不可抗力。
女の子なら誰もが
胸キュンしてしまうもん。


私も貼り付けたような笑顔のまま
エイちゃんの横につき
2人でなっちゃん家に足を進めていると


「…これ…」


と、言って首にかけたネックレスを
私に見せるとフッと笑って
再びワイシャツの下に戻した。



「つけてきてくれたの??
ありがと〜!」



「…大切にするって約束した」

と、言って私の頭をポンポンするから



ドキドキして慌ててなっちゃん家の
インターホンを押す。






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