もう一度だけでも逢えるなら
 おばあちゃんの形見の古時計の時刻は、七時十二分。昨日より、五分ほど遅く起きた。

 愛猫のまなちゃんは、まだ寝ている。飼い主の私に似て、寝るのが好きな五歳の女の子。

 テレビを点けて、キッチンに移動。またまた、ふわ~と大あくび。

 寝坊しても、朝ご飯はしっかり食べる。

 マヨネーズトーストを三枚とコップ一杯の牛乳。まなちゃんは、いつものキャットフードと牛乳。
 
 七時五十七分の電車に間に合えば、遅刻はしない。

 マヨネーズトーストをゆっくり食べているうちに、まなちゃんが目を覚ました。

 今日も朝から元気な様子。まなちゃんが私の膝に飛び乗ってきた。

 よしよしよし。まなちゃんの頭を撫でて、牛乳を一気に飲み干す。

 洗顔して、髪を整えて、入念に歯を磨き、服を着替えて、出勤の準備完了。
< 2 / 180 >

この作品をシェア

pagetop