もう一度だけでも逢えるなら
 窓の外は、台風一過の青空。

 まだ風は強いけど、空はよく晴れている。今日は、入道雲は浮かんでいない。

 水樹さんは今日も同じ服装だと思うので、私もいつもの服装。白のカットソーとデニムのショートパンツ。

 お腹が減らないように、朝ご飯はいつもより多めに。

 熱中症や脱水症にならないように、飲み物だけは持っていく。

 幸運の赤メガネを掛けて、まなちゃんのお昼ご飯とレジャーシートと耳掻きと昨日買った自撮り棒を持って、出発。



 しずく第二公園で待っていてくれた水樹さんは、いつもの服装。相変わらず、手ぶら。

 挨拶を交わして、歩いて原っぱに向かった。

 九時十八分、原っぱに到着。

 お盆中の土曜日ということもあってか、三日前より人が多い。

 家族連れが多くて、元気なちびっこたちがわんさかいる。野球少年もたくさんいる。

 私に変なことを言ったおばさんは、今のところは見当たらない。

 今日は来ないでほしい。そう思いながら、先日と同じ場所に、レジャーシートを広げた。
 
 よいしょ。よいしょ。よいしょ。まだ風が強いので、多めに石ころを。

 レジャーシートに座り、今日も眠たそうな顔であくびをしているまなちゃんを膝に乗せた。
 
 水樹さんは今日もリラックスしている様子。

 あぐらをかいて、優しい眼差しで空を見上げている。

 いつもより口数が多くて、空を羽ばたいている鳥の名前を教えてくれる。

 今日も良い雰囲気。この絶好のチャンスを逃す手はない。
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