冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
それに、たった三人しか護衛がつかないということからも、ユノヘス側の冷遇が見てとれた。

それでも私は顔を上げた。

これで平和が訪れる。
もう血は流れない。
それだけで、いい。


私の旅立ちを一応心配してくれた国王は、ひとりの腕の立つ剣士を同行させてくれる手はずを整えてくれた。

当初、身の回りの世話をするための侍女を同行させると言われたものの、断った。

見知らぬ土地に行くのは自分だけでいい。
それに、身の回りの世話など、してもらわずとも自分でできる。

でも私が剣士の同行を承諾したのは、生活が落ち着いたら、サノワに戻すという約束を取りつけたからだ。


「リリアーヌさま。途中道が悪く揺れますが、どうかご勘弁ください」


同行してくれた剣士はまだ若く、二十五歳。
名をヤニックといい、少し赤みのある黒髪を持ち、瞳も黒い。
背は私より頭ひとつ分ほど高く、体つきはがっちりとしている。
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