冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
彼は道の状態が悪いのがまるで自分のせいだと言わんばかりに謝る。


「平気よ」


ユノヘスとの国境は、ほとんど手つかずのジャングルだ。
当然ならされた道などない。


だけど、幼少のころからそういう場所を遊び場にしてきた私にとっては、別になんでもないことだった。


できれば馬に乗りたかった……。

馬車に揺られるなんて性に合っていない。
自分で馬を操り走りたかったものの、この長いドレスではどうにもならない。


ユノヘスからやって来た護衛の内のひとり、おそらくヤニックより七、八歳ほどは年上に見え、栗毛のサラサラの髪を持つ長身のバスチュー、そしてヤニックと一緒に馬車に乗り込むと、あとふたりが馬にムチを入れ、走らせ始めた。


「バスチュー、ここからどのくらいかかるの?」


バスチューは、凛々しい眉が印象的な男だった。
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