冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「はい。十二時間ほどで着くと思われます」

「十二時間……」


そんなに長い間、じっと座っていなくてはならないの?

しかもこの窮屈なドレス姿だ。
なにより体を動かすことが好きな私は、落胆して肩を落とした。


「バスチュー、王太子さまのことを教えて?」


私は仕方なく、自分が嫁ぐ王太子について話を聞くことにした。
知っているのは、冷酷非道だという噂だけだからだ。


「はい。大変剣術に優れたお方で、敵十人、二十人に囲まれたところで表情ひとつ変えません。あっという間に片付けておしまいになります」

「そんなに?」


もしかしたら少し話が大きくなっているのかもしれないけれど、それでもそこまでの人は聞いたことがない。


「ですが、シャルヴェさまは、普段部屋にこもっていらっしゃることが多く、身の回りの世話をする数人以外とはほとんど顔を合わせられることもありません」
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