冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
それからは悪路に揺られながら、ひたすら退屈なひとときを過ごした。

あまりに退屈でうとうとしはじめた頃、突然ガクッと馬車が止まり、なにやらざわつき始めた。


「リリアーヌさまはここでお待ちください」


目を鋭く尖らせたヤニックは、バスチューと共に馬車を出ていく。

ヤニックたちが出ていくと、すぐに外では剣と剣がぶつかりあう音がしだして、暴漢に襲われたのだとわかった。


「リリアーヌさまに指一本触れさせるな」


ヤニックの声と激しくなる物音に緊張が走る。

状況を把握するために小さな窓から覗いてみたものの、よく見えなかった。


「うおっ」


すると、誰のものかわからない大きなうめき声が聞こえてくる。


「殺してはいけません!」


私はいつの間にかそう叫んでいた。
もう誰かが死ぬのはたくさんだ。
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