冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「ですが、愛こそが国を救います。互いを思いやり、ときには譲歩して……そういう心かげをすべきだと教育されて育った子は、他人を傷つけることを好みません」


それは私自身がサノワで子供たちに係わってきて知った事実だった。
子供たちに何度もそう言い聞かせると、ケンカがみるみるうちに少なくなっていった。


「それでは隙が生まれ、兵が弱くなる。情けなど無用だ」

「いえ。根本から変えるのです。そもそも兵が必要ない世界を目指すことこそ、民が求めているものではないでしょうか。分け合うことを覚えた者は、余計な侵略は好みません。だから、自分から戦を仕掛けることはなくなるのです」


これは、あくまで私の予想だ。
自分が係わった子供たちがそこまで大きくはなっていないからだ。
でも、そうなる確信はあった。


「お前は、本当に変わった女だ」

「すみません」

「いや、褒めている」


褒めているの?
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