冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「シャルヴェさま!」


するとそのとき、浴室の外から、ランシャンの大きな声が聞こえてきた。


「なんですか? 騒々しいですよ」


扉の向こうのランシャンに語りかける彼は、以前とは違い丁寧な言葉遣いだった。


「暴漢が侵入したと聞きました。この私が街に出ている間に……。申し訳ありません」

「それはランシャンのせいではないでしょう。それに、バスチューもエドガーも、他の者もいたのですから」

「しかし! シャルヴェさまに万が一の……」


ランシャンが扉の向こうで再び口を開くと「ランシャンのよくないところは、話が長いところでな」と彼は私にこっそり耳打ちする。


「そうなんですの?」


私はランシャンとはまだあまり話したことがない。
だから、怖そうな人だという印象しかなかった。


「リリアーヌ。甘い声を出せるか?」

「甘い?」


なにを言っているの?
< 198 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop