冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「三日……」


シャルヴェさまがサノワを守ると約束してくれた今、自分がここに残る理由はない。

それに、サノワには母もアリアナも、いつも一緒だった戦で親を亡くした孤児もいる。


パンを盗んで囚われた男の子を見て、やはり孤児を放置してはいけないと思っていた。

大切な人を殺されたという怒りは、いつか剣を振り下ろすという行為に変わる。
そうするとまた犠牲者が生まれ、永遠に恨みの応酬が続く。

サノワにやり残して来たことが、まだあった。


「私はどうすればいいの?」


夜が更け、窓からは真ん丸の月が見える。
ベランダに出た私は、空を見上げて月に問うた。


『誰かをそれほどまで深く愛することは、危険だ』と言い切ったシャルヴェさまは、妃にしてくれたとしても、私が思うような心を通い合わせられる仲にはならないだろう。


「愛することは、無駄なことなの?」


そうつぶやいた瞬間、瞳から涙がこぼれた。
< 201 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop