冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
――カーン、カーン。


甲高い剣と剣が交わる音が聞こえだす。
すると視線の先には、五人の兵に囲まれたシャルヴェさまが、視線を尖らせ剣を構えている。


「バスチュー、なにをしているの? シャルヴェさまが……」


ただその様子をじっと見ているバスチューに詰め寄ると「ご安心ください。あの剣には刃がついておりません」と言われ、ホッとする。


「でも、あんなに大勢と……」

「シャルヴェさまにとっては大勢ではありません。しばしご覧になってください」


バスチューがそう言った瞬間、シャルヴェさまの背後から兵が襲いかかった。


「あっ……」


私は思わず声を上げ目を背けてしまったけれど、バスチューは微動だにしない。

そしてもう一度視線を戻すと、肝心のシャルヴェさまは……その剣をサッとよけ、剣を持っていないほうの手で兵に一撃を与える。

それだけでなく次々と襲いかかってきた兵を剣と手足を使い、みるみるうちに倒していく。
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