冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
盗賊じゃなかったのね……。

てっきり盗賊に襲撃されたと思い込んでいたけれど、相手がどこかの兵であることを知り、唖然とした。


私とわかっていて狙ってきたの?

ごく普通の庶民として育ってきた私にとって、自分がこうした標的になることなんて、想定外だった。
でも、大国の王太子に嫁ぐともなれば、命を狙われるということもあるのかもしれない。


「バスチュー!」


そのとき、少し離れたところにいるバスチューが左手から血を流しているのに気がつき、慌てて駆け寄る。
そして、バスチューの前に立ちふさがり剣を構えた。


もちろんさっきスカートを切ってしまったので、足が丸見えになってしまっているけれど、今はそんなことを言ってはいられない。


「やめなさい」

「リリアーヌさま、なりませぬ。馬車に……」

「馬車に行くのはバスチューです」
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