冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「シャルヴェさまは怖くはないのですか?」

「怖い?」

「はい。戦ではシャルヴェさまの首を狙うものばかりです。いくら剣術に優れているとはいえ……」


『死んでしまう可能性だって……』という言葉を呑みこんだ。
そんなこと、考えたくない。


「心配してくれるのか?」

「あたり前です」


だって私は……あなたのことが……。


「お前に出会えてよかったよ」

「シャルヴェさま……」

「安心しろ。俺は死なない。世継ぎもいない今、死ぬわけにはいかぬ」


『世継ぎ』という言葉に胸がチクンと痛む。

彼の背中の傷痕を見て去っていく妃候補ばかりでは、それが叶う日が来るかどうかすらわからない。


でも、私は……あなたとなら……。

けれど、国に帰るように諭されたばかりの私は、胸の内を口にすることができなかった。
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