冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
バスチューが出ていってしまうと、窓を開け遠くを見つめた。
もうすでにシャルヴェさまの率いた軍はどこにも見えない。


「お願い。無事でいて……」


そう口にすると、涙が止まらなくなり、泣き崩れてしまった。


そのまま日が沈むまで、遠くを眺めていた。
ただひたすらに愛する人の無事を祈りながら。

そして、これほどまでに自分の心がシャルヴェさまに向いていることを思い知った。


「リリアーヌさま、そろそろ中にお入りください」


コールが心配して私を促してくれる。

私にはなにもできないの? 
こうして泣いているだけなの?

シャルヴェさまのように、国を導くなんてことはできない。
でも、彼の妃となると決めたのなら、それ相応の役割があるはずだ。

そう思った私は、涙を拭き顔を上げた。


「コール。ヤニックを呼んで」

「……はい」


コールは不思議そうに私を見つめ、ヤニックを呼ぶために部屋を出ていった。
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