冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
実際の戦闘に加わったことがない自分が、役に立たないことなどわかっていた。
でも体が勝手に動いていた。


「リリアーヌさま。サノワにお帰りになられますか?」


まるで返事はわかっているかのように、バスチューは優しい声で尋ねる。


「いえ。私は、シャルヴェさまの妃となります。それが許されなかったとしても、生涯ユノヘスの民として過ごすつもりです」

「本当に……リリアーヌさまは、シャルヴェさまがおっしゃっていた通り、頑固な方だ。妃となることが許されないわけがないでしょう?」


バスチューがフッと笑みを漏らすので、張りつめていた空気が少し緩んだ。


「シャルヴェさまは、必ず無事にお帰りになります。私はそれまで、リリアーヌさまの命を預かりました。シャルヴェさまにとってなにより大切なお命を。全力でお守りします」

「ありがとう」
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