冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「わからずや。どれだけ人の命を切ってきたのです。どれだけ孤児が生まれたと思っているのです。剣からはなにも生まれません」


一歩も引くものか!
自分を奮い立たせてそう言い放つと、ひげ男は血走った目をギロリと見開き私をにらむ。


「リリアーヌさま、お下がりください」


バスチューがよろよろと立ちあがったものの、私は彼の前に立ちそれを制した。


「威勢のいい姫よ。殺すにゃ惜しいが命令なんでな」


ひげ男はそう言うと、私に向かってきた。

やるしかない。
口でわからないのなら、やるしか……。

私の中のなにかに火がついた。


「バスチュー、下がりなさい」


私は両足を斜めに大きく開き、下ろしていた剣先をグイッと立てる。


「ダメです。リリアーヌさま!」


バスチューが私のほうに近づいてきたとわかった瞬間、パンと地面を蹴り足を踏み出した。
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