冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私はシャルヴェさまのために用意した食べ物と、彼の傷の治療のためにと大広間から持ってきた真新しい布を持ち、外に出た。
もちろん、彼も一緒にだ。


「リリアーヌ、そのようなことはしなくてよい」


彼が声を上げたのは、私がその布で兵士の顔についた血を拭き始めたからだ。


「いえ。ユノヘスの英雄たちです。ご家族には英雄としてお返ししなければ……」

「リリアーヌ……」


すると、シャルヴェさままでもが、遺体を清め始めるので、慌ててしまう。


「シャルヴェさま、私がいたします。お部屋でお休みください」

「いや。お前の言う通り、彼らはユノヘスの英雄だ。丁寧に弔おう」


皆、疲れていた。
戦に出た男たちはもちろん、王宮で兵を迎えるための準備をしていた者も。


それでもこれは最も重要な儀式だと思った。
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