冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
彼は私を引き寄せ、額に唇を押し付ける。


「こんなところで煽られても困る」


煽るって?


「さすがに外ではな……」


彼がぼそぼそとつぶやく言葉の意味がわからず、顔を見上げると……。


「その顔がダメだ」


ダメ?
なにがダメなんだろうと考えていると……彼が近づいてきて唇を重ねる。


「ん……」


どうしよう。気持ちいい……。

こうして唇が触れ合うことが恥ずかしくてたまらなかったのに、今は体がしびれるほど気持ちいい。
つながった唇から愛情が伝わってくるようにすら感じる。

しばらくして彼が離れていくと、私は恥ずかしくなって彼の腕の中に飛び込み顔を隠した。


「リリアーヌ」

「はい」


私の髪を優しく梳き始めたシャルヴェさまは、甘い声で私の名を口にする。


「いつか生まれてくる俺たちの子が、誰かを傷つけなくても生きていける世を作ろう」

「……はい」
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