冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
しかも、ユノヘスの軍隊はサノワのゆうに十倍ほどの規模。
しかも兵はきちんと戦に備えて訓練されていて、最強だと言われている。

もう戦う力の残っていないサノワはユノヘスと手をつなぎ、支配下に収まることしか残された道はない。


「それはユノヘス王国からの申し出なのですか?」

「護衛してもらうからには、忠誠を誓わねばならん」


すなわち私は、その忠誠の証――つまりは、人質ということになるのだろう。


「それ民は救われるのですね」


私は度重なる戦いに心を痛めていた。
戦いで父を失った子供たちを集め、面倒を見ているのもそのためだ。


国王一家に生まれながらも、庶民に近いところでそうした活動ができるのは、私が国王と第二夫人の間にできた娘だからだ。
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