冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「そうですか……。それもよろしいでしょう。とにかく、朝食の時間です。コールが持ってまいりますから、それまでに身なりをお整えください」

「わかったよ」


今度こそ身なりを整えると、コールはすぐにやって来た。


「おはようございます。朝食です」


目を泳がせ視線を合わせようとしないコールを見て、コールにまであの恥ずかしい声が聞こえてしまったのだと悟り、焦ってしまう。


「コール。ありがとう。これからもリリアーヌのことを頼んだぞ」


するとシャルヴェがそんなことを言いだしたので、驚いた。


「承知しております。リリアーヌさま。朝食のあと、湯を用意しておきます」

「あっ……」


シャルヴェの部屋を訪れる前には、コールが背中を流すと言われていたことをすっかり忘れていた。


「ごめんなさい、私……」

「いえ。お気になさらないでください。王太子さまとどうかユノヘスをお守りください」
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