冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
すると王太子さまは、驚いたような顔をする。


「それに、バスチューは私に馬車の中に留まるように言いました。でも、従わなかったのは私です」

「なぜだ」

「私は血を流すことが好きではありません。戦いを止めたかったんです」


私は必死になって訴える。
バスチューを死なせるわけにはいかない。絶対に。


「止まるわけがあるまい。剣には剣しか有効ではない」

「いえ、王太子さま!」


するとそのとき、ヤニックが飛び出してきて私の前に跪き、口を開いた。


「誰だ?」

「リリアーヌさまに着いてまいりました、サノワのヤニックと申します。失礼は承知で申し上げます。リリアーヌさまは、私たちが剣を交えておりましたところに出てこられまして、あっという間に敵国兵士を黙らせました。剣を使われたのはご自分の服を破られたときだけ」
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