冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
ヤニックの言葉に、王太子さまはハッとした顔を見せる。


「黙らせたとは?」

「はい。『国に帰れば家族が待っているのではありませんか?』とおっしゃいました」

「それでは、その反逆者を逃がしたというのか?」


王太子さまは怒り気味に、剣をガシャンと地面に突き刺す。


「その通りです。王太子さまが私を『危ない目に遭わせた』と心配してくださったように、あの者たちにも心配する家族がいます」


私はヤニックに続いた。
どうしてもわかってもらいたい。


「まったく理解できぬ」


それもそうかもしれない。
彼は敵を切ることで国を守ってきたのだから。


それでも少しは心が動いたのか、王太子さまは剣を納めてくれた。
そして「はー」と大きな溜め息をつきながら首を横に振り、呆れた様子で再び私を見つめる。
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