冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「エドガー、バスチューの治療をしてやれ」

「かしこまりました」


そして白髭の男の横に控えていた、歳の頃、ヤニックと同じくらいであろう銀髪の若い男にそう告げると、「姫はこちらに。ヤニックとやらはその汚れた身を清めて参れ」と言い残し、身を翻す。


「リリアーヌさま……」


離れなければならないことになったヤニックが心配げに声を上げる。


「大丈夫よ。王太子さまはお優しかったでしょ?」


私が笑顔を作ってそう言うと、ヤニックは「はい」と言いつつも眉をひそめた。


門から王宮の玄関までの間に広がる中庭は、花々が咲き乱れ手入れが行き届いている。

その真ん中に敷き詰められた石畳を王太子さまのあとに続くと、そのうしろからは白髭の大男がついてくる。
ヤニックは別の男に案内されているようだ。
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