冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
「そなたの言うことはきれいごとだ。切らねば切られる。よく心得ておけ」


彼は少し声を大きくして言った。そして……。


「ここでは馬も禁止だ。妃たるもの、私の世話を焼くだけでよい」


馬に乗れないなんて……。

『それはイヤです』と言いそうになって、慌てて言葉を呑み込んだ。
おそらくここでは王太子さまの言うことが絶対なのだ。


でも……『妃たるもの』と言ってもらえたわ。

自由に馬に乗れないことに少し落胆しつつ、『妃』として受け入れてもらえることがわかり、安心した。


「あの……王太子さま。不測の事態でお礼を言うことを忘れておりました。私のような者を妃として迎えてくださり、ありがとうございます」


最初に言うべき言葉を忘れていた。

それを思い出して口にすると、彼はようやく振り返ってくれた。
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