冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
私がそう言うと、王太子さまは難しい顔をして私をじっと見つめる。


「勝手にするがよい。そなたに興味などない」


彼は少し呆れ顔でそう言うけれど、そうした反応は想像通りだった。

そもそも会ったこともない、まして国のための婚姻関係なんて、簡単に情が湧くはずなどないとわかっている。

でも、これからだ。
これでいいと納得してしまえば、王太子さまとは距離が開いたままで終わるだろう。

私はそれで終わらせたくはない。


「とにかくその身なりでは困る。コールはどこだ」


彼が声を上げると、すぐにひとりの女性が現れ、跪いた。

長い赤毛をきつくひとつにまとめているからか、かっちりとした印象の彼女は、歳の頃、三十代後半といったところだろうか。


「王太子さま、なにかご用ですか?」

「サノワ国のリリアーヌだ。身なりを整えてやれ」

「かしこまりました。リリアーヌさま、こちらへ」
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