冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
コールに促された私は、王太子さまと離れ別の部屋に向かうことになった。


「あの……コールさんは……」

「コールで結構でございます。長旅お疲れさまでした。今後私がリリアーヌさまのお世話をさせていただきます」


侍女、というわけね?
身の回りの世話など誰かにしてもらったことはないけれど、王太子の妃となれば、そうした存在もいなくてはならないのかもしれない。

しかし、なんだかくすぐったくもあった。


「よろしくお願いします」

「なにをなさっているのです? 私たちのような者に頭を下げてはなりません」


私が深く頭を下げると、コールはひどく慌てふためく。


「どうしてです? 誰かになにかを頼むときは、こうして頭を下げるのが当然です」

「いえ。リリアーヌさまが頭を下げられるのは、王太子さまと国王さまだけです。他の者にはなりません」


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