冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
そういうものなの?

私はここに来てから、一番の不思議を経験していた。
どれだけ身分が高くても、誰かに頼みごとをするときには頭を下げるべきだと思っていたからだ。


「なんだか、複雑なのね」

「なにが、でしょう?」


コールは不思議そうな顔をする。

どうやらそれが当たり前らしい。
違う世界に舞い込んでしまったようだ。


「それにしても、リリアーヌさま。それはどうされたのですか?」


コールは切り裂かれた私のドレスを見て首を傾げる。


「あっ、これは……兵に襲われたときに邪魔で……」

「兵!」


コールは思わず、という感じで大きな声を上げた。


「あっ、バスチューたちが助けてくれたから大丈夫よ。でもそのとき邪魔で、自分で切ってしまったの」

「ご自分で!」


コールの顔が青ざめてきた。
やっぱり……ダメだったらしら?
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