冷酷王太子はじゃじゃ馬な花嫁を手なずけたい
首を傾げていると「なにか?」とコールが聞いてくる。


「いえ、王太子さまがランシャンさんに命令されていたので……」

「あぁ、それを不思議に思われたんですね」


私は大きくうなずいた。
サノワではなにかを教えてくれる師は、常に敬うべき存在だったからだ。


「それはそうですよ。いくらランシャンさまが教育係だったとはいえ、王太子たるもの、威厳を保たなければなりません。自分より下の立場の者に頭を下げているのでは、王太子という存在自体が揺らぎます。そういうちょっとしたほころびから国が亡びることもあるんです」

「そうなのね……」


私は初めて知ることばかりで、思わずそう漏らしてしまった。


「リリアーヌさまもそうだったのでは?」

「あっ、私は……。えぇ、そうね」


王宮で暮らしたことがないことがバレてはまずい。
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